ひうい譚

「あなたのキスはdurational? それともpunctual?」

海外映画、吹き替えで見るか、字幕で見るか。

私の通う大学はキャンパスが3つに分かれている。そしてその3つのキャンパスを無料の阪急バス、通称「再履バス」が結んでいて、大学の生徒であればそのバスを無料で利用することができる。

3つのキャンパスというのは豊中、吹田、箕面のことであり、直通便を除いて、再履バスはいつも豊中→吹田→箕面の順でキャンパスをまわる。そして私は普段、大学へ行く時は豊中からバスに乗り、箕面で降りるのであるが、その間、約40分程度バスに揺られることになる。つまり、計算すると1日往復でだいたい80分程度はバスに揺られていることになる。

 

さて、バスの中というのは何をするのが正解なのだろうか。ケースはいろいろあって、座れる日もあれば立ちっぱの日もあり、ぎゅうぎゅう詰めの便もあれば、スカスカの便もある。そんな中で私がすることはだいたい3つくらいに限られてくる。音楽をきくか、本を読むか、周りの会話をきくかだ。音楽というのはaikoだのSHISHAMOだの、最近だとJudy and Maryだのを聴いている。これについては今日は詳しく書かない。これについて書きだすとまた長くなるからである。2つ目の本を読むというのはそのままの意味で、文庫本の小説を読むときもあれば、英単語長を見ているときもあり、はたまた英文を読んでいるときもある。これについても今日は書かない。書き出すと長いからである。3つ目では、わけのわからんスマホゲームの話なんかは耳に毒だが、時々興味深い会話がきこえてきて面白かったりする。。その日はこの3択の中で、私はたまたま3を選んで、ぼーっと外を眺めていたのだが、その時に聞こえてきた会話が興味深いものだったので今回はそれについて書きたい。

 

後ろの席で二人の女子大生がしゃべっている。内容は休日なにをしているか。片方の女子が洋画をよく見ると言う。

「海外の映画って、吹き替えで見る?字幕で見る?」

「私は絶対字幕だな。」

「あーまね。字幕が好きそう」

「ていうか字幕じゃないと酔うんだよね。」

「あーわかるかも。たまにいるよね吹き替えで見ると酔うから嫌っていう人。」

 

いや、わからんでしょ。

初めてきいたでしょ、

吹き替えで酔うって。

みなさんのまわりにいますか?映画吹き替えで見たら酔うっていう人。3Dだったら酔うとかじゃない。吹き替えで酔う。これ初めてきいた。聞き手の女子もなんで「あーわかるかも」なんだよ。お前も酔うのか。吹き替えで。ほんまか?

私が最近見た海外の映画といえば、つい1週間前くらいにみた「アメリ」がある。もちろん字幕で見たのだが、はたして吹き替えで見たら酔っていたのだろうか。

そういえば、海外映画を字幕で見るようになって久しい。小学生くらいまでは、テレビで映画がやっていたとしても、毎回吹き替えで見ていた気がする。小学生のうちは漢字が読めない。漢字が読めないと字幕が読めない。字幕が読めないと筋を追えないということで、もっともな理由である。ただ、その時から両親は字幕で見たがっていた。ような気がする。やっぱりその役者がそのまましゃべっているのをききたいということで、こっちもまあもっともである。そして年を経るにつれて、だんだんと自分も字幕で映画を見るようになってきた。なにより海外に滞在したので、役者のしゃべっている英語をききたいと思うからである。ただし自分のリスニング能力は十人並みで、聞き取りやすいアメリカ英語でも内容を半分も理解してるか怪しい。イギリス英語になるとそのパーセンテージはおそらく3割以下まで下落する。要するに全く聞こえないのである。パイレーツオブカリビアンのジョニーデップも、ハリーポッターのエマワトソンも、発音がカツカツというか、パキパキというか、そんな感じがしていて、耳から情報が滑り落ちる感覚になる。今でも覚えているのが、字幕なしでハリーポッターを見た時、エマワトソンが「わぁ?」というシーンがあって、何度リピートしても「わぁ?」「わぁ?」にしかきこえず、そこだけとりあえず字幕をオンにすると「Where?」だった、ということがあった。とにかくそういう意味でイギリス英語は厄介だ。そして「わぁ?」のエマワトソンは可愛い。

ただ、吹き替え映画の出番が全くなくなったかというとそうでもない。中学生の頃に訪れた空前のアニメブームによって、日本の声優について詳しくなった自分は、吹き替え映画の吹き替えが誰の声なのかを、それはそれは注意深くチェックするようになった。そして、映画がテレビでやっているときに、副音声と切り替えを行うことで、その声優の声をきいたりした。吹き替えが必要なのはこのようなケースの時である。

 

話がそれたが、結局吹き替えで酔うというのはどういうことなのだろうか。音声と映像の間に生じるわずかなギャップに人間の脳のどこかが反応しているのだとすれば、それはそれですごいことだと思う。車に乗っているときに本を読むと、目から入っている情報と車の揺れとのギャップで酔いが生まれるらしいが、映画の場合はそれが目と耳で起こっているということか。

とにかく吹き替えで酔うというのはどういうことか、分かる方がいればぜひ知らせてほしい。興味をもった方がいれば調べてほしい。

 

今回はこのへんにしておく。ちなみにアメリをみたので次にデリカテッセンを見たかったが、残念ながら自分が契約しているストリーミングサービスでは配信されていなかったため諦めた。そして我ながら今回の記事はまじめすぎた。次回はもうすこしふざけていきたいと思う。