ひうい譚

「あなたのキスはdurational? それともpunctual?」

アメリカでもおいしいと思えるお菓子4選

私が5年アメリカにいたということはこのブログ読者ならだいたいの方はご存知かと思う。そして今回はその時の体験をもとにいわゆる"普通の"レビュー記事を書いていきたい

さて、「東京喰種(東京グール)」というアニメ(原作は漫画)がひと昔前に放送されていた。ストーリーは適当にググってくれればわかると思うのでできるだけ省略するが、今回このブログで引用したい部分というのは、喰種化(半喰種化?)した後の主人公、金木の表現力である。少し説明を入れると、この作品には「喰種(グール)」という生き物が出現する。喰種は見た目は人間であるが、ヒトと味覚が異なっており、ヒトと同じものを食べるととてもまずく感じる。その代わりに喰種はヒトの肉をおいしいと感じるようになり、定期的に人肉を食さなければいけなくなる、というのが喰種の重要な特徴の一つだ。もともと人間であり、文学少年だった金木が、ある事故をきっかけに喰種の仲間入りを果たす。その生き方を描くというのが東京喰種のおおまかなストーリーなのである。

 

さて、元文学少年(喰種になってからも文学少年だったかもしれない)の金木は、喰種になって初めてヒト用のサンドイッチを食べた時、自分の豊富な語彙を生かしてその味を表現する。その時のセリフが以下のものだ。

"パンは無味無臭のスポンジみたいでレタスは鼻の奥まで青臭いしチーズなんか乳臭くて粘土みたいな食感"

これに対して、同じく喰種の女の子、トーカが「普通にまずいでいいじゃん笑」みたいなことを返すのだが、ここで唐突に本題に入ると

アメリカのお菓子はまずい。

私から言わせると

"グミ系は色が毒々しい絵具みたいでチョコレート系はう○こくさいしクッキー系なんか全部歯にニチャニチャくっつく消しカスみたいな食感"

 である。これは正直だいぶ大げさに書いた。金木君の表現に合わせようと言葉を選ぶとかなりひどくなったし、あえて引用の形で記述しても自分の語彙力の低さが露呈した形になったのは置いておくとして、とにかく日本のお菓子になれた舌をもってアメリカにいくとやはり味覚の差を感じる。一概にまずいと言えなくとも「日本では売れないだろう」と即座に分かってしまうものが多い。そういう意味でやはり日本の食べ物は"日本人"がおいしく感じるように作られている、ような気がする(コカコーラの味すらもアメリカのものは微妙に違った気がした。)

では、アメリカでもおいしく食べられるお菓子はあるのだろうか。今回は、私がアメリカに滞在した5年間の記憶を呼び起こし、どんなお菓子があったか、そしてどれを日本の舌をもつ私がおいしいと感じていたかを書いていきたい。ちなみに、あえてポテトチップス系は省いている。チップス系はアメリカでもなかなか日本との差が出にくいからである。

紹介するのは4つのお菓子だ。

Nerds

 

 

これはおいしかった。いろいろな味があるのだが、特にグレープがおいしい。あえて分類するとすれば、「アメ系」のお菓子である。いろんなパッケージで売られているが、自分が一番食べたのは小さい箱で分かれていたタイプのものだ。3*2*1くらいの箱の中にグレープ味ならグレープの、いちご味ならいちご味の、つぶつぶのアメ(?)が入っている。アメといいつつも食感はどちらかといえばラムネである。よく日本で売られているコカコーラのラベルが貼ってある円柱の容器に入ったラムネをご存じだろうか。あのラムネの粒をもう少し小さく、かつ不規則なものにしたお菓子、というと分かりやすいかもしれない。甘く、少しすっぱくておいしい。おすすめの食べ方は、箱を開けたら、その箱の中身を全部口へ流し込み、粒が小さくなるまでなめて楽しんだら、あとはガリガリとかみつぶしてパワープレイをお見舞いするやり方である。今でも時々食べたくなるなつかしの味と言っていい。

Jolly Rancher

 

海外直送Jolly Rancher Original Hard Candy 7 OZ (198g)
 

 

またアメ系で申し訳ないが、こちらのお菓子もアメリカを代表するアメである。代表してるかは知らんけど。こちらはさきほどのNerdsよりもだいぶ普通のアメに近い。小さい円柱の形をしたアメで、大きさは日本で売られているのど飴程度だ。このアメのいいところは、妙に柔らかいところである。日本のアメというのは、奥歯にはさんでぐっとかむ力を強めると、大体のものはあえなく割れてしまうと思うが、このJolly Rancherは、少しずつかむ力を強めるにつれて、歯がアメに深く食い込んでいくのがわかる、それだけ柔らかいのだ。この少しねちっとした食感のアメをぜひ試していただきたい。メインの味はグレープ、青りんご、さくらんぼ、すいかで、個人的にはグレープと青リンゴがおいしい。余談ではあるが、お菓子の味において、アメリカではすいかがかなりの人気を誇っている。日本でいうパインくらいの位置にwatermelonが食い込んでくると思っていただいて差し支えないと思われる。これが文化の差か。

Twix

 

ツイックス ファンサイズ (1袋)

ツイックス ファンサイズ (1袋)

 

 

満を持してチョコ系の登場である。こちらはおそらく日本でも見かけることがおおいであろう一品。平たい長方形のビスケットの上にキャラメルが乗っており、それをチョコレートがコーティングしている、カロリーお化けである。さきほどアメリカのチョコはう○このにおいがするといったが、主にそれはHERSHEY'Sというところから発売されているものに言えるのであって、他はそうでもない、かもしくはもっとまずいかのどちらかである。Twixの良いところは楽しい食べ方をできるところである。私はアルフォートを手に取ると、まずクッキーからチョコの部分を引きはがそうと前歯でがりがりとやるし、きのこの山を買えば、あの棒状のビスケットからチョコをはがそうとして、やっぱり前歯でがりがりやる男なので、Twixも同様、まず前歯でがりがりとやって、キャラメルとビスケットを分離させ、ビスケットだけにするのである。そして最後にビスケットだけをほおばって満足そうな顔ができるというのがこのお菓子のいいところである。オムライスのグリーンピースを先によって食べてしまう人はきっとグリーンピースが嫌いなのだろうが、私がキャラメルやチョコレートの部分を先に食べるからと言って、キャラメルやチョコレートが嫌いなわけではないということを明示しておく。ここには食べ方という明確なエンターテイメントがあるのだと思っていただきたい。

実はチョコ系にはTwix以外にも、コーヒー豆やラズベリー味のグミをチョコでコーティングしたチョコボール海外バージョンみたいなものもあるのだが名前が思い出せないため割愛する。おしゃれな味なので気になった方はぜひ検索してみていただきたい。

Life Savers

 

 

最後に紹介するのはライフセイバーだ。これはラムネ系で、見かけはフエラムネと同様のものだと考えてもらってよい。正直これは好みが分かれる。「おいしいもの」と銘打って書いているこの記事だが、これは間違いなく苦手と答える人がいてもおかしくないと感じられる代物である。この心にとっかかりを作っているのが、ミント味のにおいである。ライフセイバーにも様々な味があって、パッケージの色でそれが判断できるようになっているのだが、青やオレンジ色で多少味の違いがあるとされていても、あまりラムネベースであることに変わりはない。しかし、緑色のミント味は明らかに普通のミントと同じだと考えてはいけないにおいを放っている。言葉で表すならばそれはどう考えてもサロンパスと言わざるをえない。サロンパスのにおいを固めて固めて固形にしたものがライフセイバーの緑パッケージの味だ。一度食べると癖になるが、合わないという人がいるのも容易にうなずける、そんな味である。日本で売っていたとしたら定期的に買うのは間違いないので、ぜひ売り出してほしい。フリスクミンティアなどの比ではない。これはミントの革命である。

まとめ

以上がアメリカでもおいしいと思えるお菓子4選である。この先、留学でアメリカに行く人も多かろう。その時、ぜひアメリカのお菓子事情にも触れてきていただきたい。WalmartやKrogerに行って、様々なお菓子を買って食べて、時には甘く、時には苦い思い出を作ってほしい。そしてもし可能であるならば、この執筆者の私に、ライフセイバーミント味の緑色を買ってきてほしい。切に願っている。